今日は万引き家族の感想や注目するべきポイントを伝えていきたいと思います。(2分ほどで読了可能)
- 万引き家族の内容を知りたい人
- 万引き家族の重要ポイントを知りたい人
- 万引き家族の筆者なりの解釈を聞きたい人
上記の人向けに書いていきます。
それではいきましょ
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あらすじや製作情報
万引きをして生計を多々ている家族とじゅりと呼ばれる女の子の出会いが大きな事件を巻き起こすことになる。万引きを当たり前だと思っている家族が知ることになるであろう事実とは一体なんなのか?
・社会によって切り裂かれていく家族
・貧乏人しか感じない光
・普段私たちが見落としている事を教えてくれる
監督 | 是枝裕和 |
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原題 | SHOPLIFTERS |
製作年度 | 2018年 |
上映時間 | 120分 |
製作国 | 日本 |
ジャンル | ドラマ |
キャスト | リリーフランキー 他 |
万引き家族 感想
万引き家族で注目するべきポイントを語っていこうかと思います。
- 貧乏人の幸福
- 我々の当たり前を疑う
- 本当の絆とは
- 万引きを通して感じる悪の再定義
上記の事を解説していきます。
貧乏人の幸福
この物語は主に貧乏家族6人の物語です。
しかし映画の描写では幸福そうに笑うシーンが多々あります。
万引きをして貧乏なのにも関わらず、貧乏ではない私たちと同じくらい...いやそれ以上に全員笑顔なのです。私たちはお金がないと幸せになれないと思い込んでいるだけなのかもしれません…
みんなで協力しあって生活している様子は私たちの幸せの基準というのを再定義してくれているようでした。
我々の当たり前を疑う
私たちは学生であれば普通に学校に通うことができ、大人であれば何かしらの仕事につく事ができます。
しかし貧乏人にはそれが許されない描写が数々出てきます。その1つを下に記しておきます。
学校は家で勉強ができない人が行くところ
あるシーンで男の子がこんな事を言うシーンがあります。
もちろん学校に行けないが故の大胆な言い分ですが、もしかしたら一理あるのかもしれません。学校に行かなくても友達を作る事は出来ますし、勉強もする事ができます。
私たちは普段学校に行ける事が当たり前になってしまっているので常識を疑わないが故に出てこない言葉だと思いました。
本当の絆とは
この物語では「スイミー」と言う絵本が例えで出てきます。このスイミーの物語と「万引き家族」での絆は重なっていると感じています。
「スイミー」は「どうすれば生きられるのか?」を考えた結果、協力して大きな敵を倒すと言う物語なのですが、ここで言う「大きな敵」と言うのは万引き家族における「法」だと感じています。
この物語の家族はそれぞれの理由で「法の外を歩く存在」なのですが、そんな人たちが協力して法を倒そうとする絆を描いているように感じました。
万引きを通して感じる悪の再定義
本当の悪とは何なのだろうか?
ついこの間ジョーカーと言う映画が公開されたのもあり、「悪の再定義」と言う事を考えさせられました。
無論万引きというのは悪い事です。しかし、法の中を歩く私たちと法の外を歩く彼らにはそもそも価値観の差があり過ぎるのではないか?というのが正直な感想です。
ジョーカーもそうですが、悪い事をしている人の側に立ってみると色々な考え方を持つ事ができるようになってきます。悪い事をしている人たちはすぐに「悪い人」という簡単な定義をされてしまいがちなのですが、よくよく考察してみるとその人なりの考え方を持ち、我々が英雄だと思っている人の考え方が間違っている可能性もありうるのです。
この作品はそのような事も考えながら見るべきものだと思います。
万引き家族|ネタバレ感想&考察
注意
ここからはネタバレを含みます。
祥太の行動の理由
映画のラストで大どん返しとも言える祥太が自ら捕まりに行くシーンがあります。
あの場面での考察は色々な意見があると思います。僕は主に以下の3つが祥太を動かせたのだと思います。
理由
- 初枝への対応から疑問を感じた
- りんを正しく生きさせたかった
- 家族の反応が見たかった
これらが理由だと思います。
初枝への対応から疑問を感じた
万引き家族は、初枝が死んだ際に役所に届けを出してしまうと自分たちの違法行為がバレてしまうので隠蔽してしまいます。
つまり全て自分たちのために行動する家族の姿を祥太は目の当たりにしてしまいます。
ここから自分たちが本当にしっかりとした生き方をしているのか疑問を感じてしまったのではないでしょうか?
りんを正しく生きさせたかった
祥太はりんと共に駄菓子屋で万引きを続けますが、駄菓子屋の店主に実はバレていたことを知ります。
その際にりんには万引きをさせるなと店主に言われます。一見その描写では祥太には響いていないように思えますが、おそらく祥太には響いていたのでしょう。
その後、その駄菓子屋が潰れてしまったのも祥太のせいではないかもしれないのに罪悪感を感じてしまったに違いありません。
家族の反応が見たかった
先ほど初枝に対する家族の反応を見た祥太の感情を書きましたが、祥太は自分が危険な状態になったら家族はどうするのかを試してみたかったのもあると思います。
案の定、万引き家族は自分たち自身のために動いているので祥太を見捨てて逃げてしまおうとします。
なんとも言えない残酷なものですね…
ラストシーン
最後のバスシーンはなんとも言えない終わり方ですよね…さすがアカデミー賞という感じです。
あれは父と子の関係にお互い本心ではなりたいものの、なってはいけないというのを心に感じているのだと僕は考えました。
ラストシーンについて深く言及するのは、映画を観る側として野暮だと思うでこれくらいにしておきます。
まとめ
万引き家族はカンヌ映画祭でパルムドールを獲得したすごい作品があるので興味がない人も観るべき傑作だと思います。
自分が今おかれている状況がどんなに幸せなのかをしっかりと見つめ直すためにもいい映画かもれません。
本日は以上です。